意訳
現在米国はバブル状態で投資先が枯渇した。いづれバブル崩壊するだろう。中国経済に余力がない今、バブルが崩壊するとリーマンショック時と同じような対処はできず世界経済は大きなダメージを負う。日本はコアコアCPIで見ればインフレではない。購買力平価からいづれ1ドル91円になる。トランプが円高ドル安を望んでいるので投機筋が動くだろう。円高がオーバーシュートすれば株価も下がる。
書き起こしまとめ
・現在米国はバブル状態でいづれはじける。
・リーマンショック時と同じように世界はバブルに対応できない。
・日本はコアコアCPIで見ればインフレではない。
・購買力平価でいえば1ドル91円が妥当。
・為替は最後は購買力平価で決まる。
・トランプは円高ドル安を望んでいる。
--以下動画書き起こし-------------
「森永卓郎」
2025年中に日経平均は3000円になると予想(本音は2000円)。
現在は人類史上最大のバブル。
この200年で70回ぐらいバブルが起きているがすべてはじけている。
人類史上最大のバブルは1920年代の米国バブルで自動車と家電のバブルだった。
株価が1929年10月24日90%ダウンした。
不当に高い値段は必ずこける。
現在もバブル。
始めはGAFAなどのドットコムバブルだった。
次に投資対象が電気自動車に変わったが、寒さに弱いなど問題が露見。
投資が自動運転→AI必要→人工知能バブルを起こした。
人工知能投資も行きついた次は人工知能を動かすためには大量の半導体が必要。
そのためS&P500やオルカンでもかなりの部分をNVIDIA1社の株価が引き上げている。
日本のGDPとNVIDIAの時価総額が同じなんてありえない。
今のNVIDIA株はチューリップバブルの球根のようになっている。
バブルはいつもそうだが画期的な新しい物がバブルになることはまずない。
古い物がバブルになる。
半導体が普及し出したのは60年前。
インターネットは60数年前。
古い技術をお化粧してさも新しい物のように見せかけて半導体がチューリップの球根になっている。
だから、とてつもない勢いで半導体の値段が下がっていくと思う。
数年以内にNVIDIAはこけると思う。紙屑になる。
株価が暴落する。経済自体が終焉する。
「朝倉慶」
リーマンショックの時と同じように金融政策で対処できた。恐慌は対処できる。
「森永卓郎」
マクロ経済政策は両輪で金融政策と財政政策を同時にやらないと強力な対策にならない。
リーマンショックが止まったのはバカみたいに金融政策で供給したから
もう一つは中国が巨額の開発投資をしたから。
当時中国は国内投資で米国が100年で使ったコンクリートより多い量を使った。
米国の100倍以上の財政支出を重ねた。
米国を中心とした金融緩和と中国を中心とした財政出動を合わせたから世界経済の崩落を防げた。
今の中国には投資余力がない。
今回のバブルが弾けたら。例えばNVIDIA株が10分の1になったら金融政策だけで支えられるかというと今回は無理だと思う。
リーマンショックの時にやれたことを今回はできないと思っている。
「朝倉慶」
バブルには金融政策が処方箋だ。
コンクリート作れなくても減税だってできる。
マネー供給を増やせばいい。
今のインフレは絶対的な動きは歴史的な動き。
「森永卓郎」
私はインフレになるとは思っていない。
国債を中央銀行に買わせれば利払いがあったとしても国庫納付金で国に返ってくるので財政負担は無い。借換えを行えば利払いも元本の返済の必要がない。借金がないのと同じ。
やり過ぎるとインフレになるが安倍政権で毎年80兆円国債を発行してデフレは止まった。
しかし、2%ほどの緩やかなインフレ。
私がずっと言っているのは100兆円ずつぐらい何の財源の手当てなく財政出動に出ましょう。そうすれば景気は良くなりますよ。公共投資できなくても。
トランプは旧トランプ時代の金持ち減税を継続すると言っているだけで庶民を減税しようなんて全然言ってない。
「朝倉慶」
間違っている。なぜインフレになったのかというとコロナの時にお金を配り過ぎた。
今もその流れが止まらない。
「森永卓郎」
現状認識として表面的に日本はインフレが続いているように見えるが、コアコアCPIで見ると2%を下回っているのですでにインフレではない。デフレにまっしぐらになる。
「朝倉慶」
ガソリン代もガス代も補助金で抑えてインフレ率2.4%っていうのは米国2.4%や欧州2%でみんな日本が一番高くなっている。現在の日本は補助金を継続しないと今のインフレ水準を保てなくなっている。2022年1ドル110円、今は160円近くなってしまった。日本の政策で円の価値が薄められた。
「森永卓郎」
そこが一番間違っている。IMFがエコノミックアウトルックという世界経済見通しを3ヵ月ごとに出している。購買力平価。購買力でみると現在の円の適正レートは91円。なぜ1ドル150円になっているかというと為替のマーケットは99%投機だから。
「朝倉慶」
違います。今日明日のような短期的にはそうだが中長期的には実需がでかい。
投機なら反対売買しないといけないから円を持ち続けたら成立しない。
「森永卓郎」
ここ数年それが続いてきた。
全部投機で決まっている。
不当な円安が続いているので流れが変わると一気に投機筋が本来の方向に向かっていく。
何十年の為替の予想を見てください。時間はかかるが必ず最後は購買力平価。
必ず90円まで行くんですけど、流れが変わった時はオーバーシュートする。1ドル70円になってもなんの不思議もない。
1985年プラザ合意で1ドル240円だったものが一気に2年弱で120円まで為替が倍になった。
その時に何が起きたのか。介入じゃなく先進5か国の大臣と中央銀行総裁が集まって円を高くしようと言って空気を作った。空気を作ると投機筋はそれに乗らざる負えない。乗った方が得だから一気に円高になる。私はこれを日本経済集団リンチ事件と呼んでいる。
今回はトランプが円高ドル安にするぞと言っている。投機筋はそれに乗って一気に円高が進む。米国が原油を増産するから原油も下がっていく。ものすごいデフレ圧力が日本にかかるので物価は下がる。
「朝倉慶」
そんなことは起きない。逆です。トランプはドル安を望んでいるがやろうとしている政策はドル高を生む。だから市場は円安ドル高になっている。
投機は買ったら売る売ったら買う。永遠に売っている買っているなんてことはない。
投機は実需が決めている
「森永卓郎」
株価だって投機なんです。
朝倉慶さんの言っていることは金融村の人達みんな言っている。
なぜなら彼らにとって非常にヤバい状態。
オルカンやS&P500だとかにお客さんのお金を持って行った。
これが急激な円高になると価値が半額になってしまう。
しかも、バブルになるとさらに半額になる。
95%減になりますよ。あなたの投資はなんて金融村の人は言えるはずがない。
だからいろんな理由をつけて円安はまだまだ進みますよ。米国株高は続きますよって私はババをひかせようとしてると思っています。
最後に掴んだ人が全部痛い目をみる。
それがもうすぐ起きるぞと私は言っている。
購買力平価1ドルあたり何円?
引用:国際通貨研究所 IIMA-GMVI・購買力平価-主要通貨購買力平価[ドル円]
森永卓郎氏の言っていたように2024年1月時点で実勢相場1ドル149円に対して企業物価PPP1ドル約92円となっている。